スタンガン

スタンガン銃のテーザー銃

スタンガンに銃を組み合わせたもの。それがテーザー銃です。一般的にはテーザーガンと呼ばれています。

日本語だとどう言ったらいいんだろ。スタンガン銃?ガンは銃だから、これではスタン銃銃になる。。

ちょっと変ですね。話が脱線しました。

スタンガンは相手に怪我をさせず効果的に動きを封じることができる、よくできた護身用品です。これを銃の弾のような理屈で相手に向けて飛ばせばいいじゃないか。恐らくそういったアイデアから生まれたのがスタンガンの銃であるテーザー銃です。

テーザー銃は売ってますか?どこで買えますか?って、よく聞かれます。

まずはっきり断っておきますが、テーザー銃は日本では銃に該当するため銃刀法に抵触します。

テーザー銃は販売されてないし、入手できないし、所有もできません。

このことを前提に、少しだけテーザー銃について説明しましょう。

テーザー銃のメーカーであるテーザー社

テーザー社

まずは製造元であるテーザー社。これは米国の企業です。

https://buy.taser.com

ホームページをのぞいてみると・・うわあ。さすがアメリカ。こんなのがネットで普通に販売されてるんですね。すごいの一言。

一般的にテーザー銃といえばこんな感じ

テーザー銃(スタンガン銃)
▲やっぱりこれ。テーザー銃らしいデザイン。まさにこれって感じ。

握り方や使用法は銃に似てなくもないですが、外見はあきらかに銃とは違いますね。

引き金を引くと正面の黄色い扉が開き、釣り糸のような細い電線につながれた2本の電極が発射されます。

ということは?そう。テーザー銃は銃本体がスタンガンであり、スタンガンの電極部分だけを発射する構造なんですね。

電極が相手に刺さっても、電極に電流を流すためには電極と本体がつながってなくちゃいけない。そのために電極から長い電線を介して本体に接続されている状態になります。ということは、射程距離が電線の長さによって制約を受けることになりますね。

電極が相手に刺さったあとは、引き金を引いている間は相手に電流を流す仕組みのようです。

ちなみにテーザー銃のモデルには沢山の種類があるようなので、画像は代表的なモデルと考えてください。

カートリッジなる物

テーザー銃(スタンガン銃)のカートリッジ

先端のこの部分がカートリッジ。

テーザー銃はカートリッジ式で装弾数は1発。1発ごとにカートリッジを交換します。もし使用して命中しなかったら慌てるでしょうね(^_^;)

このカーリッジには射出用の火薬と、発射される電極と、電極と本体を接続する長い電線が入っています。

弾(電極)を発射すること、発射に火薬を使用すること、などから日本では銃刀法違反となります。

ちなみにこんな派生型も

ショットガンタイプのスタンガン銃
▲弾がスタンガンユニットという発想

みなさんこれは知っていますか?これもテーザー銃です。

このテーザー銃の特徴は、スタンガンユニットがショットガンの薬莢サイズに造られていること。

なので、銃は普通のショットガンでいいし、面倒な電線もなし。電線によって制約を受けていた射程距離も大幅にアップ。言うことなしですね。そして、複数のカートリッジをショットガンに装填していれば、何発も連続して発射できるかも。すごいですね本当に。(個人的には銃の発射の加速度Gに耐えるスタンガンユニットがすごいと思う。)

ちなみにこのタイプ、小型化されたスタンガンユニットと電極が一緒になって相手に命中しますが、そのあとは電極部分は相手の体に刺さり、スタンガンユニットは電線を伴い30cmほど脱落して、相手にぶら下がる感じになります。

刺さった相手は、スタンガンユニットの電池が無くなるまで感電し続けるのかも。怖すぎる。

テーザー銃は日本では違法ですよ!

これだけはしっかりと覚えておいてください。

日本国内ではテーザー銃は違法です。銃刀法違反です。持っててもダメ。もちろん絶対に使ってはダメ!

もしかしたら、オークションに出品されていたとか、昔から放置している倉庫から出てきたとかで、テーザー銃を入手するかもしれません。この記事をご覧の方には、テーザー銃が手元にあるんだけど・・・という方もいるかもしれません。(数十年前には国内で入手できたという噂もあります)

そういう方は、必ず近くの警察へ相談してみてください。事情を説明すれば、善処してもらえるはずです。

怖くなってそのまま捨てたりしないように。だれが拾うかわかりません。

今回は日本国内では縁のないテーザー銃について説明しました。

世の中には興味深いものがいろいろとあるものですね(^-^)

おまけ

余談ですが、似たものに(機能、性能、能力は全然似てませんが)銃の形をしたスタンガンがあります。

これは単に形が銃なだけで、単なるスタンガン。相手に向けて構えて、使うときはそのまま相手に直接押しつけるというなんとも残念なシロモノです。こういったスタンガンはテーザー銃ではありませんので悪しからず。

もちろん当店ではそんなおもちゃは扱っていません(^_^;)

スタンガン

スタンガンの所持と法律

スタンガンの所持は違法なのか、多くの方が悩むところだと思います。

もちろんスタンガンは護身用として、万一のときに身を守るもの。当店のような護身用品専門店では「スタンガンがあったおかげで助かりました」という声が聞かれる一方で、事件としてニュースになるような悪用事件も発生しています。

今回はスタンガンの所持について、現実と法律の両面から考えてみます。

所持と所有の違い

まず、似た言葉である所有と所持の違いを明確にしましょう。

所有と所持の違い

所有:自分のものとして有すること

所持:身につけて持ち歩くこと

この通り、所有と所持は明らかに違いますね。

所有はスタンガンを購入すれば、それを家に置いていても店舗に備えても、自分のものとして所有することになります。

所持は、実際にスタンガンを身につけていることです。ホルスターを利用して腰に下げたり、クルマのトランクに入れていたり、カバンやポケットに入れていたりすると所持していることになります。

スタンガンの所有は合法

スタンガンの所有は合法です。

スタンガンを自分のものとして有することは、法律に一切触れません。

スタンガンそのものが違法であれば当然ながら堂々と販売できるはずもありませんね。

従って、自宅に備える、店舗や事務所に備える、など外で持ち歩かない場合は完全に合法となります。

スタンガンの所持は微妙

スタンガンの所持とは、実際に身につけて外を出歩くことを指します。

このとき、法律に触れる恐れがあります。

それが軽犯罪法です。

軽犯罪法は、私たちの身の回りの生活における様々な細かいルールを規定した法律で、その中に「正当な理由なく武器などを持ち歩いてはならない」という項目があります。

そして、スタンガンの所持に対して「正当な理由もなく武器を持ち歩いているのでは?」という疑いがかけられるわけです。

軽犯罪法とスタンガンの実際問題

軽犯罪法には「正当な理由なく武器などを持ち歩いてはならない」とされてます。

それでは具体的に「正当な理由」と「武器など」について考えてみましょう。

命を守るほど正当な理由はないはずなのに

私たちが自分の命を守るためにスタンガンを所持することは正当な理由ではないのか?自分の命を守るという理由以上に正当な理由などあるのでしょうか?考えればわかることですね。

しかし残念ながら、警察の答えは「NO」です。警察の立場はあくまで、未来の被害者に自衛の手段を認めることではなく、未来の犯罪者を取り締まることです。だから答えは当然NOなのです。

警察は信じられないことに「あなたが自分の身を守ることは正当ではない」と言います。なぜなら犯罪は全て未然に警察が防いでいるから?冗談でしょう?警察によると、私たちはどんなに危険を感じても丸腰でいるべきであり、襲われれば抵抗手段もないまま110番すれば済み、犯罪被害に遭いながら私たちは10分から15分待つべきだと言います。

皆さんはどう思いますか?もし一瞬でも警察の考えに賛成を覚えたなら、あなたは自分の奥さんや娘さんがストーカー被害にあっていても、同じことを言えますか?

スタンガンは武器なのか

軽犯罪法でいう武器とは、具体的には「鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」と記述されています。スタンガンは果たしてこれに該当するのでしょうか。

スタンガンは相手に電気を流して動けなくさせますが、至って安全な護身具です。電流は人体に安全であり、相手に怪我させたり後遺症を残したりすることはありません。この安全であるスタンガンは、果たして重大な害を与える武器なのでしょうか。

これも、実際問題としてスタンガンの安全性などは論じられず、残念ながら警察は「危険な武器である」とみなします。やはり悪用事例があるから、警察としては取り上げたい、ただそれだけが目的ということです。

2分される考え方

冒頭でも申し上げたとおり、当店のような護身用品専門店では「スタンガンがあったおかげで助かりました」という声が聞かれる一方で、事件としてニュースになるような悪用事件も発生しています。

護身用品を持っていて良かった

助かったという人は、もしスタンガンがなかったらどうなっていたのだろうと恐怖を覚え、スタンガンを持っていて良かったと言います。スタンガンで救われたのだし、スタンガンがなければ最悪の場合命を落としていた可能性もあるわけですから当然です。

護身用品なんかなくなってしまえばいい

悪用されたというニュースだけを見る人は、スタンガンなんか取り締まってしまえばいい、なくなってしまえばいい、と考えます。(スタンガンがなくなれば犯罪がなくなるとは到底思えませんが。)これもニュースだけを見た偏った考えではありますが、わからなくもないですね。

このように、スタンガンの所持については賛否両論です。そして、スタンガンの所持に関する唯一の法律である軽犯罪法は、犯罪被害者の味方にはなってくれません。

最後は自分の判断

スタンガンの所持(持ち歩き)は軽犯罪法に抵触する可能性があります。なぜなら「自分の命を守るため」という理由が正当ではないし、「だれにも怪我させない安全なスタンガン」はとても危険な武器だからというわけです。説明してて頭が混乱してきました。

でもこれが今の社会の現実です。

だから、ひとつだけ自分に問いかけてみてください。

犯人と一対一で対峙して、凶器の餌食になるそのときに、あなたは丸腰でいたことが正しかったと納得できますか?納得できない理由でスタンガンの所持を制限する軽犯罪法を守ってて良かったと、本当に心から思えますか?

では質問を変えてみましょう。

あなたは津波や土石流や火砕流からクルマで逃げているとして、その道路の制限速度が30km/hだからといって道路交通法を守り、飲み込まれてしまってもいいですか?アクセルを踏んで助かろうとしませんか?

軽犯罪法がある以上、スタンガンの所持は皆様個々の判断になります。しかし、スタンガンがあったから助かったという声を実際にいただくことも事実です。こういった方々は、スタンガンを所持していなかったらどうなっていたのでしょう。そう考えると心底恐ろしくなります。

身の危険を感じる、周辺の治安が悪化した、知人が危険な目に遭ったなど、スタンガンを必要と感じるきっかけは人それぞれです。しかし、そうやって自分の安全について真剣に考えたときこそ、護身用品が必要なタイミングです。

火事なんて一生起きないかもしれないけど、私たちは消火器を備えます。外出も同じ。何も起こらなければそれで良いが、何かあったときに対処できるかが一番大切な問題なのです。

ーーー2019/02/06 以下の逮捕についての説明を更新 交通違反と同じという記述を削除 前歴が残るという説明を残らないに変更

余談になりますが、軽犯罪法はむやみに濫用してはならないと定められています。さらに、もし警察にスタンガンが発見されても「住所や氏名が不明の場合」や「犯罪の捜査をするために出頭を求められ、正当な理由がなく出頭に応じない場合」や「逃走の恐れがある場合」に該当しなければ警察も逮捕ができません。もし警察にスタンガンの所持について質問されたら、警察の質問や要請には素直に応じ、逃げるようなことをしなければ逮捕もありませんし、前科も前歴も付きません。

参考:軽犯罪法違反になる意外な行為と処分・罰則内容を解説(刑事事件弁護士ナビ)

何よりも大事な命です。もっと真剣に、現実的に、護身用品の所持の効果とリスクを考えて、後悔のない判断をしてください。