スタンガンのS-313とS-364はどっちのほうが強い?
とあるお客様からの質問
「マグナム-Xセダン130万V S-313 」か「マグナム-Xゼータ・ペン90万V S-364」で購入を検討しています。この二つのスタンガンは威力的にはどれくらいの差があるのでしょうか?
S-313の方が電圧は高いですけど、電流はS-364の方が上なので、使用した時の効果が違ってきたりするものなのでしょうか? ペンタイプの方は実際に人体に使用された動画がないので詳細が知りたいのですが…
持ち運ぶ事を前提に考えているので、威力があまり変わらないようであればペンタイプを選ぼうかなと考えております。単4電池を使用するのでこちらの方が手軽かなとも思うので。
だけど威嚇効果はあまり念頭には考えておらず威力重視で選ぼうと思うので、やっぱりS-313の方が良いのかなとも思うのでどちらにしようか迷っております。
なのでこれらのスタンガンの使用した時の効果や威力など、その辺りを詳しく教えて頂ければ幸いです。
S-313のほうが断トツで強いです
はっきり言ってS-313のほうが圧倒的に強力です。
解説
今回のご質問の核心は、結局のところ当店への問合せでも多くを占めている「ペン型スタンガンはどれくらい強いのか」というものです。
スタンガンの威力はスタンガンの電気仕様における出力電圧と電流で推し量れます。単純に計算するならば、電圧と電流を乗じて比較すればOK。でも、ペン型スタンガンと普通のスタンガンの比較では、単純にそれだけでは済まない側面があります。というのも、普通のスタンガンとペン型スタンガンでは、使用している電池とスタンガン本体の内部スペースに大きな違いがあるからです。(さらに出力周波数にも影響を受けるが、ここでは割愛します。)
一般的なスタンガンの威力の比較
出力電圧と出力電流の乗じた値を比較
ペン型を除くスタンガンの電池は、角形の9Vアルカリ乾電池を1個か2個使用します。2個使用の場合でも内部では並列に接続されているため、入力電圧は9Vとなります。対してペン型スタンガンは1.5Vアルカリ乾電池2本が直列に接続されています。このため入力電圧は倍の3Vとなります。
電池入力電圧 | |
ハンディスタンガン バトンスタンガン コンパクトスタンガン | 9V |
ペン型スタンガン | 3V |
また、本体のサイズは内部に収容可能な電子部品の大きさやレイアウトに影響を与えます。内部スペースの余裕は収納可能な蓄電部品(コンデンサ)や昇圧部品(トランス)のサイズに少なからず影響を与えているはずです。
本体内部スペース | |
ハンディスタンガン バトンスタンガン コンパクトスタンガン | 余裕がある |
ペン型スタンガン | 余裕がない |
さらに細かな理由はわかりませんが、9V電池を使用する普通のスタンガンと1.5V電池を使用するペン型スタンガンでは、スパークの大きさに明らかな違いがあり、電圧や電流だけでは説明できません。以下は最新型の9V電池を使用する150万Vハンディスタンガンと、1.5V電池を使用する110万Vペン型スタンガンのスパークです。
このように、9V電池を使用しているスタンガンのほうがスパークが太く大きくなり、その分だけ効果的な威嚇が可能となります。これはスパークする電極の距離を見てもわかります。9V電池のスタンガンのほうが電極間の距離が広く、より長い距離の空気中を放電できていることになります。
このスパークの視覚的な違いは、結果的にそのまま体感ショックとしても差が表れます。以下が9V電池2個を使用する130万Vバトンスタンガンを体験した動画です。
これに対し、1.5V電池を使用するペン型スタンガン50万Vを体験するとこのようになりました。
電圧の違いこそあれ、やはり本質的な違いは歴然であり、9V電池のスタンガンの方が別次元に強力です。
以上の理由から、当店ではペン型スタンガンではないと絶対に駄目といった状況以外では、可能な限りペン型スタンガン以外を選択するようにお勧めしています。特にペン型スタンガンとコンパクトスタンガンは価格の差も少なく、使用し易さの面においてもコンパクトスタンガンはペン型スタンガンに勝ります。そして忘れてはならないのが、スタンガンは万が一のときに我が身の命を守る重要なアイテムという点です。
このことをよく考え、運用上不可能でない限り9V電池を使用するスタンガンを選ぶことを強くお勧めします。
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