熊・イノシシ・害獣

危険なイノシシ

兵庫県のイノシシ被害は全国最多のようです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190224-00000503-san-soci

イノシシは見た目では可愛いらしく、危ないという印象を持っていない方もいるかもしれません。

しかし、実際には気性が荒く危険な牙を持ち、走るスピードも速く、日本全国に分布する危険な動物です。

兵庫県でも過去にはイノシシに襲われて怪我をしたという事件が複数起きています。

兵庫県内では昨年10月9日夜、神戸市中央区の路上で、バイクで走行していた70代の男性がイノシシと接触して転倒し、重傷を負った。同11月5日には同市灘区の路上で、パトロール中だった県警の男性巡査長がイノシシに襲われ、右足を切る軽傷。さらに同12月4日には神戸市と隣接する芦屋市の路上で、散歩していた80代女性がイノシシに左手の薬指をかみちぎられる重傷を負った。

このほか、ハイキング中に尻をかまれたり、路上で食料の入った買い物袋を奪われたりと、さまざまな被害が発生している。

Yahoo!ニュース

イノシシは臆病だから人に近づかないだとか、音を出せば、人間の存在をアピールすれば逃げ出すはずだとか、そい言う人もいます。しかし実際、イノシシがその通りならばこのような被害が出るはずがありません。

イノシシでも、クマでも、環境が変われば行動が変わるのが動物です。人間が恐れるほどのものではないとわかれば、人間に対する行動も変わって当然。動物は過去にこうだったらからこれからもこうだとは言い切れないものです。

さらに子連れの動物ともなると、子を守る本能も加勢し攻撃的になることも当然考えられます。

そして最大の問題は、過去の例にならって、過去の動物の習性を信じて、こうすれば逃げてくれるはずと動物の行動に期待したり、決めつけたりすること。人間は野生のことなど全て知り尽くせているはずもないのに、そう決めてかかることが一番の問題です。

今回の兵庫県のイノシシ問題では、イノシシに餌をあげる住人が後を絶たないことも要因のひとつのようです。自ら危険な動物を人間の生活エリアに招き入れているということです。人間による餌付けはイノシシにとっては野生で生きていく能力を失うことに繋がり、人間にとってもイノシシを人間の生活エリアへ招き入れる結果となります。いいことは一つもありません。

イノシシは可愛いとか親近感を持つとか、そういう対象として見るのは危険です。あくまでどう猛で危険な動物です。

イノシシに餌をあげるなどもっての外です。餌付けは絶対にやめましょう。

そして、もしイノシシを見かけたら、絶対に近づかないうように気を付けてください。

熊・イノシシ・害獣,熊よけスプレー

誰にでも絶対に忘れたくない事件というものがあると思います。

私の場合、その事件のひとつが秋田県で起きた2016年の熊による食害事件です。

この事件ではツキノワグマによって男女4人が犠牲となったばかりか、熊から食害を受けていたことに戦慄を覚えました。(食害:人間を食べること)

大好物のタケノコが不作で?男女4人を死亡させた凶暴グマの実態

事件を詳しく見ると、被害者の中には熊よけ笛を吹きながら歩いた夫婦もいたようです。クマよけが意図せずクマ寄せになったのではないかと恐ろしくなります。

クマよけと音の利用についての懸念点は、以前からこのブログでも問題を提起していました。

クマ対策の新常識「クマよけ鈴は効果なし」 音の期待と現実

クマは人を襲い、最悪の場合は食害を行います。人間にとってクマよけは命に関わる問題です。鈴や笛やラジオでは効果がないことが近年次々と明らかになっています。

そして、この記事では食害クマがまだ3頭も生存している可能性を指摘しています。

秋田「人食いグマ」3頭生存か 他の5地域も警戒を

この凄惨な食害事件だけでも、恐らく5頭の熊が関わり、そして3頭は生存している可能性があるということです。あれからまだ3年、その3頭のクマはまだ生存していると考えておいたほうが賢明でしょう。

そしてもちろん、危険なクマは日本全国でこの3頭だけと考えることは出来ません。

そろそろ2月も終わり、お仕事や行楽で山野へ出かける方も増えてくる時期です。そして、同時に全国でもクマの被害が増え始める季節です。

自分だけは大丈夫だとか、これまで何もなかったからとか、鈴や笛があるから安心だとか、そう考えている方がもしいたら、3年前のあの凄惨な事件を思い出し、絶対に被害に遭わないように対策をしてください。

熊・イノシシ・害獣,熊よけスプレー

ボタン式の熊よけスプレーホルダー

熊よけスプレーは山林の活動では安全のため無くてはならない必須アイテムです。常に身に付けておく必要があるため、専用ホルダーに入れて持ち歩いている人も多いのではないでしょうか。

この専用ホルダーは、各熊よけスプレーメーカーや販売店が、個々に組み合わせて販売されていますが、これらには種類によって無視できない大きな違いがあります。

それは蓋の開閉音です。

今回は、ホルダーの蓋の造りの違いと、その違いがもたらす開閉音の違いについて解説します。

蓋の固定方法は2種類ある

熊よけスプレーのホルダーは、熊よけスプレーを収納してベルトやザックなどに固定できるケースです。熊よけスプレーは万が一の時に素早く取り出せるように、普通の荷物とは別にして専用ホルダーを使用し、腰などに装備するのが一般的です。

この時に、普段の活動で熊よけスプレーが脱落したり、異物や手が熊よけスプレーのノズルやボタン部分に接触しないように、ホルダーには蓋が付いています。

ホルダーの蓋の固定方法は大きく分けて次の通り2種類存在します。

  • マジックテープ式
  • ボタン式

蓋の固定方法の違いは、実際には開閉音の違いとして大きく現れてきます。

詳しく見ていきましょう。

マジックテープ式

▲特定の製品の画像だと語弊があるのでマジックテープの画像を掲載

蓋の裏とホルダーの本体にマジックテープが縫い付けてあり、マジックテープで蓋が固定されます。熊よけスプレーの多少のサイズ違いも許容されホルダーの共通化が楽だからなのか、ほとんどの熊よけスプレーホルダーがマジックテープ式を採用しています。

ボタン式

一部の熊よけスプレーホルダーが採用するボタン式の蓋。この方式はほとんど見かけることがありません。

※熊よけスプレーの付属ホルダーにはポシェットのような布袋をホルダーと称しているものがありますが、これはホルダーとしての役割を満たさない単なる保管用袋なので今回は触れません。

マジックテープ式とボタン式の開閉音の違い

熊よけスプレーのホルダーを開閉音の違いという視点から考えてみると、マジックテープ式とボタン式の違いは歴然です。

マジックテープ式

閉める時は静かですが、開ける時にバリバリと音がします。

もし望まずとも熊と至近距離で対峙していた場合、ぎりぎりの緊張状態の中、なんとか均衡を維持している、そんな状況を想像してください。そんな中で熊よけスプレーを用意するには、マジックテープをバリバリと音を立てながらホルダーの蓋を開けなければなりません。その突然の異音が、両者の緊張状態を破綻させ、または熊が怯えて、襲ってくるきっかけになるかもしれません。

また、熊が近くにいるが、まがこちらに気がついていないといった状況も考えられます。こちらは熊に気がつかれないようにやり過ごすのが一番ですが、しかし念のため熊よけスプレーも構えておくべきです。しかし、熊よけスプレーをホルダーから取り出したいが、蓋を開ける時にマジックテープのバリバリ音がすると熊に気がつかれてしまう恐れがあります。こちらに気がついていない熊にわざわざこちらの存在を知らせる行為は、当然ながら望むところではありません。

このように、メーカーが安易に採用しているマジックテープですが、その開閉音のせいで現実的には熊から襲われるリスクが高まってしまいます。

ボタン式

蓋がボタン式のホルダーは、蓋の開閉時にほとんど音がしません。

音がしなため、熊と対峙していた場合にも熊を音で過度に刺激することがありません。同様に、熊がこちらに気がついていないという場合でも、音で刺激することなく熊よけスプレーを静かに取り出して、万一に備えることができます。

熊よけスプレーのホルダーの蓋はボタン式が最適

いざ襲ってくると動きがとても速い熊なので、こちらに突進を始める前に熊よけスプレーを構えているのが理想的です。

熊が突進を始めてから慌てて熊よけスプレーをホルダーから取り出していると、そのタイムラグが命取りになりかねません。

こういった理由から、音で熊を刺激せずに熊よけスプレーを取り出すことが出来るボタン式蓋のホルダーは、熊よけスプレーに最適のホルダーと言えます。

マジックテープ式はボタンへの換装も有りかも

手持ちの熊よけスプレーホルダーがマジックテープ式だからといって悲観する必要はないかもしれません。

マジックテープ式の蓋やホルダー本体は、ほとんどの場合、ナイロンの生地にマジックテープの素材が糸で縫い付けられています。

このような場合には、思い切ってマジックテープを取り去り、ボタン式への換装にチャレンジしてみるのも手かもしれません。

ボタンは手芸店やネット通販で(例えばamazonなどで)数百円で入手できます。ネットなら「ホック 打ち具」などで検索すれば、ボタンのオス、メスと固定に使用する打ち具がセットで1,000円程度からあります。あとは金槌があればOK。アウトドア好きな方なら、こういった道具は既に道具箱にあるかもしれませんね。あとはチャレンジのみ。腕の見せ所かもしれません。

音を軽視するべからず

自然界、野生の世界では敵や獲物の認識するための感覚は主に匂いと音です。熊も例外ではありません。

そういった特性を考えると、緊張状態にある熊の目の前で突然マジックテープのバリバリ音を響かせることが、どれほど危険なのかわかると思います。

熊よけスプレーは、携行時になくてはならないホルダーについても、安全第一でリスクを最小限にできるものを選びたいものです。

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イノシシで死亡事故発生  イノシシに注意!

山梨県で猟師さんがイノシシに襲われて死亡するという痛ましい事故が発生しました。

イノシシに襲われ 狩猟中の男性死亡 山梨

2019年1月20日 18時01分

20日午前、山梨県山梨市の山中で猟をしていた59歳の男性がイノシシに足などをかまれ、その後、死亡しました。

警察によりますと、20日午前9時半ごろ、山梨市牧丘町杣口の小楢山で猟をしていた地元の会社員、長谷川洋さん(59)から「イノシシにやられた」と、一緒に猟をしていた人に無線で連絡がありました。

駆けつけたところ、長谷川さんは左足のふくらはぎと尻の2か所をかまれ、市内の病院に運ばれましたが出血多量のためおよそ3時間後に死亡しました。

一緒に猟をしていた人によりますと、長谷川さんたちは当時、4人で犬を使ってイノシシを追い込んでいて、長谷川さんは銃を構えてイノシシを待ち受けていたところ襲われたと見られるということです。

イノシシは体長1メートルを超えると見られ、山の中に姿を消したということです。

現場は標高1700メートル余りの小楢山のふもとから600メートルほど登った林道脇の斜面で、この時期はシカなどの猟が盛んに行われる場所です。

NHK NEWS WEB

この事故では襲われた男性は狩猟中で、猟銃も持っていました。

追い込んだイノシシを仕留める役割だったようで、なぜ仕留められず襲われたかは不明のようです。

こういった狩猟では、複数の人がチームで行うものだと思いますが、もし狩りに失敗し、だれかが獲物に襲われた時の対策は考えられているのでしょうか。

猟師さんはもちろん猟銃を持っているものと思います。猟銃を持っていれば獲物との力の差は圧倒的ではありますが、それは銃を撃てる場合に限ります。

もし仲間が襲われたとしたら、例えばイノシシが仲間を襲い、噛みつき、離さないとしたら、当然ながら銃は使用できません。発砲すると襲われている仲間にも当たる可能性があるからです。

このような場合に、死に物狂いで興奮しながら噛みついてるイノシシを引き離し、仲間を助けるにはクマよけスプレーしかありません。

クマよけスプレーを使用すれば、人への被害は銃を使用するより遥かに少なく、確実にイノシシを引き離すことができます。

今回の事故のニュースでは、被害者を襲ったイノシシをどう撃退したのか明確になっていません。イノシシが自分で退散したのかもしれませんし、何らかの方法で被害者本人がイノシシを撃退したのかもしれません。

でももし、狩猟メンバーの全員がクマよけスプレーを携行していれば、今回の事態においても襲われた本人や、近くの仲間がいち早く対処し、今回のような最悪な結果は免れたかもしれません。

以前から懸念していたのですが、狩猟をされる方は猟銃だけでなく、万が一の護身のためのバックアップは持たれているのでしょうか。

猟銃は圧倒的な殺傷力がありますが、万能ではありません。狙いを外すかもしれないし、機械なので故障の可能性もあります。弾数も無限ではありません。銃によっては1、2発の発射で装填し直さないとならないかもしれませんし、装填には相応の時間を要します。

こういったリスクに加え、クマやイノシシなど場合によっては命を落としかねない凶暴な動物を相手にするわけですから、身を守るためのバックアップ手段は必須です。ナイフもあるとは思いますが、凶暴な動物が多少刺されたくらいで逃げるとも思えません。急所を的確に狙えばナイフでも不可能ではないのでしょうが、襲われている最中に、そのような的確な攻撃は不可能に近いでしょう。

やはり猟銃のバックアップには最低でもクマよけスプレーが必要です。クマよけスプレーがあれば、襲われていても、襲われている仲間を助ける場合にも、とにかくイノシシやクマの顔面にスプレーするだけなので、確実に撃退できます。

猟をされている方、イノシシやクマが出没するエリアへお出かけの方は、万が一の時に自分や仲間の命を守るため、必ずクマよけスプレーを携行することを強くお勧めします。

熊・イノシシ・害獣,熊よけスプレー

コンパクト熊よけスプレー格安販売中!

KSPでは護身用品の一環として熊よけスプレーも販売しています。

当店の熊よけスプレーはサイズ違いで2機種ありますが、そのうちお勧めなのが小さな方のB-609です。

熊よけスプレー中型モデルB-609

まず注目なのは熊よけスプレーの中では断トツの安さ!1本税別4,982円と、なんと5,000円を切っています!

容量は4oz(オンス)で、とってもコンパクト。携行しても軽いし邪魔になりません。B-609は近年急速にユーザー数を伸ばしている、新しい熊よけスプレーです。

皆さんが普段目にするであろう熊よけスプレーと、お勧めのB-609とのサイズを比較すると驚くほど圧倒的な小ささです。こうして見ると、そもそも大型の熊よけスプレーって、持ち歩きを考えると大きすぎないか?と考え込んでしまうレベル。

熊よけスプレーのサイズ比較
▲一般的な熊よけスプレーにくらべてこの小ささ!携帯性抜群で持ち歩きも楽々!(大きな方は他店のものなのでモザイク処理)

本体ボンベが手の平くらいのサイズです。スリムでコンパクト。装備品が熊よけスプレーだけでは済まないアウトドアでは、コンパクト性は重要な要素ですよね。

▲片手で持ってこのサイズ。持ち歩きやすさ最高です。

そして、たっぷり長い有効期限。当店の熊よけスプレーは最低でも3年以上の有効期間が残っている物のみ販売しています。

有効期限が1年前後しか残っていない熊よけスプレーも多い中、3年以上はすごいと思いませんか?只でさえ安いのに、さらに長持ちするという最高のコストパフォーマンス。

ボンベ底部3段印字の中央の部分が、例えば10/08/22の表示だとしたら2022年10月8日までという意味です。日付の並びは月/日/年の下2桁となっています。本体底部だけでなく、本体横にも同じ日付ラベルがあります。

ボンベの底は、製造工場でしか印字出来ません。つまり、この有効期限はウソ偽りない本当の有効期限だということです。安心ですね。

▲工場印字の有効期限もバッチリ!というか、他店のサンプル熊よけスプレー、有効期限の表示がどこにもない。。

熊よけスプレーは身に付けておいて、すぐに取り出して使用できないと意味がありません。

なので、腰に下げられない収納ケースなんて論外で、腰に下げられても熊よけスプレーを取り出す時にまごつくような収納ケースではNGです。

当店の熊よけスプレー専用ケースは腰に装着でき、ケースの蓋はボタン式なので片手でさっと開けられます。さらにケース本体がしっかりと腰がある頑丈な造りなので、熊よけスプレーを一瞬で取り出すことができます。

さらに蓋はボタン式なので、熊を前にしても無用に熊を刺激せず静かに蓋を開けられる。実はこれも大きなポイントなんです。熊を前にして、マジックテープ式の蓋をバリバリと音を立てながら開けるなんて危なすぎる。

熊よけ中型催涙スプレー ケース付きセット B-609-CS
▲もちろん携帯用のケースも販売。このケースの蓋にも注目。マジックテープではなくボタンなので、熊を刺激せず静かにさっと取り出せます。

当店ではケース付きセットもご用意。よければご覧ください。こちらもお値打ち価格です。

熊よけスプレー中型モデルB-609ホルスターセット

これまでの熊よけスプレーは、有効期限が短い又はわからない、といった物が多く、毎シーズン買い替えている方も多いのではと思います。

今シーズンの熊よけスプレーは、これまでにない軽量コンパクトで、効き目も確実、有効期限も完璧に管理されている当店の熊よけスプレーを是非。

熊・イノシシ・害獣

イノシシをドローンで撃退するニュースから感じた危機意識の欠如

今朝のユースによると、東京電力福島第一原発事故の避難指示区域でイノシシが大量に繁殖しているようです。このイノシシが、既に帰宅可能な方々の帰宅を困難にしているとのこと。

ニュースでは実際に町中を駆け回るイノシシの集団や、長期間不在だった民家にイノシシが押し入って家中を荒らした様子などが放送されていました。それにしてもやはりイノシシの攻撃性は激しく、家中がめちゃめちゃになっていました。

ただでさえ危険なイノシシが町中に溢れているわけですから、これはなんとかしないといけないし、イノシシの駆逐が完了するまで住民の方々は帰りたくても帰れないのが実情だと思います。

こんな中、ドローンをぶんぶん飛ばせばイノシシが怖がって逃げていくのではという考えから、実際にドローンを飛ばしてイノシシを追い払う実験が行われていました。場所は田畑の小道で、クルマを止め、テーブルやらモニターを道に置き、すぐ近くにいるイノシシの集団を実験的に追い払っていました。

イノシシは初めて見る空を飛ぶ物体だし、当然ながら驚いて逃げていました。解説では怖がって逃げ出したといったニュアンスでしたが、そのあたりは疑問です。違和感のあるもの、初めて見るものを警戒するのは野生動物として当然だとは思います。でも、ドローンが結果的に危害を及ぼすものではないと学習したら、それでも逃げるのか?私はそうは思いません。怖がって逃げるのと、警戒して去るのとでは意味が全く違うと思うのですが。。

それはさておき、驚いたのは、それだけのイノシシ多発地帯で実験やら取材をしているにも関わらず、誰一人熊よけスプレーを携行してなかった点です。少なくとも放送された画像では熊よけスプレーは一つも目にすることが出来ませんでした。注意して観察したにも関わらずです。

大変危険で恐ろしい生き物がいるから住民が帰宅できない。それを解決するために現地に乗り込む方々が無防備。これはいったいどういった矛盾なのでしょうか。自分だけは襲われないと思うのか?もっとしっかりとした危機意識を持たなければ、いずれ被害者が発生します。

イノシシの撃退に尽力されている方、それを取材して広く知ってもらおうとする取材班、立派だし良いことだと思います。でも、イノシシは決して侮ってはいけません。万が一襲われたら押し倒されて噛みつかれ、あの反り返った牙が足や腕に貫通し、そうなると易々と逃げ出せるものではないし、重傷や、下手したら致命傷を負う可能性もあります。

イノシシの撃退、町の機能回復に尽力されている方々、実際に避難を終えて帰宅される方々は、イノシシ被害の防止と安全が確認されるまでは、自分の命を守る最後の手段として必ず熊よけスプレーを携行してください。

当店の熊よけスプレーはこちら(イノシシにも使用できます)

催涙スプレー,熊・イノシシ・害獣,Q&Aコーナー

熊よけスプレーは気圧の低い高山でも破裂しないのか

高山では気圧が下がるけど、熊よけスプレーは問題ないの?という疑問があります。

問題ない、というのが答えですが、その理由について今回は解説してみます。

高山の環境で、質問主の心配は空気が薄い(気圧が低い)ですが、その他いろいろな状況や条件の仮定から結論に至るまで少し苦労しました(^_^;)

以降は問題ないとの結論に至った理由を解説しました。興味のある方は読んでみてください。

気圧差

気圧は標高が高くなるほど下がっていきます。

気圧の単位は、天気予報などに使われているのがHPa(ヘクトパスカル)です。

H(ヘクト)は10の2乗を表し、1HPaは100パスカルです。

  • 1HPa(ヘクトパスカル)=100Pa(パスカル)

標準大気圧を考えてみます。

標準大気圧は海抜0mの標準的な大気圧のことで、1気圧とも言い、地球上の気圧の基準となります。

  • 標準大気圧=1気圧=1013.25HPa

次に、標高が高い場所の気圧を計算します。

今回は熊よけスプレーなので、クマの活動限界高度を仮定します。

調べてみると、森林限界高度というものがあり、これが3,000mでした。

標高3,000m以上では森林は形成されないというものです。

クマは森林がないと生息できないので、この森林限界高度をクマの活動限界高度と考えて良さそうです。

  • クマ活動限界高度=森林限界高度=標高3,000m

それでは標高3,000mにおける大気圧を調べてみます。

こちらのサイトで調べました。

生活や実務に役立つ計算サイトkeisan 標高から気圧を計算

どうやら計算するためには気温も仮定しなければならないようです。

圧力ガスは周囲温度が高いほうが内部圧力も高まり、高圧に関しては条件が悪化します。

これらの理由から、海抜0mの地点で真夏の35℃と仮定します。

気温は標高が100m上がるごとに約1℃低下します。

3,000m上昇すると、海抜0mに比べ気温が約30℃低下しますので、標高3,000mでの気温は5℃と仮定します。

  • 海抜0m=真夏=35℃
  • 標高3,000m=5℃

標高3,000m、気温5℃という条件から、先ほどの計算サイトで気圧を求めると、709.61HPaとなりました。

  • 標高3,000m気温5℃における気圧=709.61HPa

海抜0mの地点での標準大気圧は1013.25HPaでした。

従って、標高3,000mの熊よけスプレーの周囲大気圧は海抜0mと比べ303.64HPa低いということになります。

  • 1013.25HPa-709.61HPa=303.64HPa

ボンベの破裂や液漏れを心配するとき問題になるのは、ボンベ内圧力とボンベの外の気圧との相対圧力です。

熊よけスプレーのゲージ内圧力は仕様通りを維持されたとするならば、標高3,000mの環境下におかれた熊よけスプレーは周囲気圧が303.64HPa低下したことになります。これを標準大気圧の基で置きかえた場合には内部圧力が303.64HPa増したのと同様の意味になります。

  • ボンベ内外圧力差=303.64HPa増加

熊よけスプレーの仕様にはゲージ内圧力の表示があります。その単位はMPa(メガパスカル)です。

MPaはPaの10の6乗です。

HPaはPaの10の2乗だったので、MPaとHPaの関係は次の通りです。

  • 10000HPa=1MPa

標高3,000mにおけるボンベ内外の圧力差は、海抜0mと比べ303.64HPa増加しました。

これをMPaで表すと約0.03MPaとなります。

  • 303.64HPa=約0.03MPa

以上から、標高3,000mの地点では外気圧の低下によってボンベ内外の圧力差が0.03Mpa増加することがわかりました。

温度差

標高3,000mの地点では海抜0mの地点と比べ、気温が約30℃下がりました。

これは、熊よけスプレー本体そのものの温度も下がることを意味します。

ボンベ内の温度が下がることによる圧力の変化を追ってみます。

まず前提として、ボンベ内圧力を仮定します。

噴射剤は窒素なので、液体窒素の圧力を調べてみると35℃において14.7MPaでした。

(参考)http://www.klchem.co.jp/blog/2013/06/post_2050.php

熊よけスプレーの仕様では、ケージ内圧力は0.78〜0.80MPaです。

このことから、熊よけスプレーの缶内の窒素は、液体ではなく気体の窒素を規定の圧力で封入していると考えられます。

気体の圧力と温度との相関関係は、ボイル=シャルルの法則によって計算できます。

(参考)https://ja.wikipedia.org/wiki/ボイル=シャルルの法則

ボイル=シャルルの法則は、気体の圧力Pは体積Vに反比例し絶対温度Tに比例するという関係性を表したものです。

ボイル=シャルルの法則

  • P=k(T/V)

Pは圧力

Vは体積

Tは絶対温度

kは定数(エネルギーを絶対温度で割った単位)

今回は、温度の変化における圧力の変化だけに注目しますので、圧力Pと温度Tのみに注目します。

なお温度のTは絶対温度(ケルビン)です。

これまで考えてきた温度の℃は摂氏(セルシウス)温度です。

摂氏温度(℃)と絶対温度(K)との関係は次の通りです。

  • 摂氏温度=絶対温度-273
  • 摂氏0℃=絶対温度273K
  • 絶対温度0K=摂氏-273℃
  • 摂氏35℃=絶対温度308K
  • 摂氏5℃=絶対温度278K

ボイル=シャルルの法則P=k(T/V)では、圧力Pと絶対温度Tは比例関係にあります。

35℃から5℃に冷やされた時のボンベ内圧力の変化は、ボイル=シャルルの法則の右辺であるTの値が変化したことになります。

  • 35℃時のTの値=308K
  • 5℃時のTの値=278K

このことから、右辺のTの値は30/308=約9.7%減ったことになります。つまり、左辺の圧力Pも9.7%減ります。

仮に、熊よけスプレーのボンベ内圧力が仕様通りの最大値である0.8MPaであった場合、30℃の温度低下によって内部圧力は0.7224MPaに低下します。

  • 0.8MPa-(0.8MPa×9.7/100)=0.7224MPa

以上から、標高3,000mの地点では温度低下によってボンベ内圧力が0.0776MPa低下することがわかりました。

  • 0.8MPa-0.7224MPa=0.0776MPa

気圧と気温の変化による圧力変化

3,000mの標高差における気圧変化と気温変化によるボンベ圧力の変化がわかりました。

  • 気圧変化=標高0m→3,000m=ボンベ内外の圧力差が0.03MPa増加
  • 気温変化=摂氏35℃→5℃=ボンベ内圧力が0.0776MPa低下

標高3,000mの地点では、気圧変化と温度変化の両方が起こります。両者の結果を合計した値が、標高3,000m地点における熊よけスプレーのボンベ圧力です。

標高3,000m地点での熊よけスプレーのボンベ内圧力は0.7524MPaとなり、平地よりもボンベ内圧力が低下することがわかりました。

  • 平地圧力0.8MPa+気圧変化0.03MPa-温度変化0.0776KPa=0.7524MPa

結論

以上から、熊よけスプレーを標高の高い山に持って行く場合には、気圧変化と温度変化の影響から、平地よりもボンベ内圧力は低下する傾向にあるため破裂の心配はありません。

むしろ若干ではありますが噴射圧の低下が起こりますので、そちらも考慮しておいたほうが良さそうです。

熊・イノシシ・害獣

熊出没注意

熊対策の情報を調べると、専門家から素人、宣伝目的まで様々な情報がヒットします。

こういった情報洪水の中で、よくまとめられたページを見つけたのでシェアします。

今回紹介するページはこちら

ツキノワグマの生態と人身被害防止

「森と水の郷あきた」という、あきた森づくり活動サポートセンターが公開しているページです。

このページでは、主にツキノワグマの生態、活動、熊対策の歴史、被害の実例、熊の対処法などが詳細に解説されています。

残念ながらPC専用ページのようで、スマホでの閲覧が厳しいのがとても残念。

長大な内容のページなので読むのに時間かかります。

でも、熊被害についてかなり勉強になると思います。

このページで紹介されているクマの人身被害防止対策がこちら

クマの人身被害防止対策

  1. 一人ではなく複数で行動すること。
  2. 音で自分の存在をアピール・・・「クマ避け鈴」や「ラジオ」、「笛」、「爆竹」。
  3. 残飯や生ゴミは絶対に捨てないこと。餌付いたクマは、人間に寄ってくるので危険。
  4. 臭いでアピール・・・腰に下げる「蚊取線香」も有効。夏は、虫よけとクマ避けの一挙両得のアイテム。
  5. 危険なクマの出没警報が出されている周辺には、絶対に立ち入らないこと。
  6. 「熊撃退スプレー」を携帯すること。なぜなら1~5までは、クマとの遭遇を回避する対策だが、近年、そうした対策をとっていても、危険な親子グマや残飯などに餌付いたクマ、人を恐れなくなった新世代のクマと遭遇し、人身事故を起こすケースが増えているからである。

出典:ツキノワグマの生態と人身被害防止

4項の蚊取り線香は知りませんでした。イヌより何倍も嗅覚が効くクマなので、匂いの活用は大切なんですね。

2項の熊への存在アピールは。。。6項でも書いてある通り人を恐れなくなったクマには逆効果どころか、ここにいるから襲ってくださいと言っているようなもの。推奨できません。

そしてやはり、6項の通り確実に自力で撃退する熊よけスプレーは必須です。用心に用心を重ね、それでも襲われた時に身を守る最後の手段として、クマ出没エリアでは熊よけスプレーを必ず携行してください。

ツキノワグマは絶滅危惧種と言いながらも、その被害数は年々増加しています。

備えあれば憂いなし。万一に備えて必ず熊よけスプレーを肌身離さず持ち歩きましょう。

熊・イノシシ・害獣

大阪北部地震 避難中の方はクマに気を付けて!

今朝、大阪北部を震源とした震度6弱の大きな地震がありました。

被害状況などは少しずつ明らかになってきています。

市街地では水道管の破損や壁の倒壊などが報道されています。

このような状況で、自宅にいることができず避難する方もおられると思います。

避難される方の中で、特に山間部の方はクマ被害にも注意するようにしてください。

公民館や体育館などしっかりした建物へ避難すれば問題ないと思いますが、中には自宅のそばの庭や広場で、やむを得ずテントで過ごすという方もいるかもしれません。

このような方はクマの被害に遭う恐れがあります。

窮屈で不便だとは思いますが、できれば車中泊などを行い、クマに襲われることのないように注意してください。

地震などの天災では、その災害ばかりに目が向き、2次的災害への対策がおろそかになりがちです。

特にクマは近年では市街地でも多く見られ、被害もでています。

山間部で地震で避難される方は、クマにも十分に気を付けて2次災害を防ぐよう注意しましょう。

熊・イノシシ・害獣

新潟の熊

たまに新潟県に出張されるというお客様からお話を聞くことができました。

山沿いの道を通っていると、頻繁にクマを見かけるそうです。

多い日には合計で2頭から3頭見かけることもあるそう。

見かけるクマは道路沿いを歩いていたり、道路を横切って行ったりするそうです。

クルマに乗ってるからいいようなものですが、もしクルマから降りていた時にクマに遭遇したらと思うと不安になり、熊よけスプレーの必要性を感じたそうです。

日本の本州以南に生息しているのはツキノワグマです。ヒグマと比べるとやや小型のクマとはいえ、その危険性はかなりのもです。毎年ツキノワグマに襲われる被害者も出てるし、人が襲われて食べられたという凄惨な事故も起きています。

クマが生息するエリアに入るときは熊よけスプレーの携帯は常識です。

熊よけスプレーがなければ、クマを撃退し自分の身を守ることはまず不可能と思って良いでしょう。

確かに大声をだしたり、何か物を投げて難を逃れたという例もあります。

しかし、それは全て運に頼っているに過ぎません。

クマに襲われた時に確実にクマを撃退できるグッズは熊よけスプレー以外にはありません。

これから晩秋までクマの活動期は続きます。

皆さんもクマには十分に注意しましょう。