TVの「ニセ宅配便の見破り方」には違和感しかない

2016年1月22日

ニセ宅配便の見分け方


先日テレビを見ていたら、たまたま防犯の特集をやっていました。

番組内の防犯に関する様々なコーナーの一つとして「ニセ宅配便の詐欺」について取り上げている内容がありました。

ニセ宅配便という詐欺行為が存在し、誰でも被害に遭う可能性があること。それをテレビを通して視聴者に紹介して注意を喚起することは、とても有意義だと思うし、私も知らなかったのでためになりました。

でも、そのコーナーの中で防犯の専門家と称する人が解説したニセ宅配便業者の見破り方は、どう考えても全く納得できなかったので、ニセ宅配業者の見破り方を独自の視点で考えてみました。

今回は、テレビで放送された内容と、もっと現実的なニセ宅配便詐欺の見破り方を当店独自の考えで紹介します。

見破れますか!?ニセ宅配便を装った代引詐欺

問題として取りあげられていたのは、代金引換の宅配便を装って代金を騙し取るという詐欺の手口でした。

番組内では、実際にこの詐欺が通用するのか実験も行っていました。仕掛け人であるニセ配達員が荷物を配達し、受け取る人が注文していない荷物の代金を払ってしまうのか、という実験です。その実験では、受け取る人は注文した覚えはなくても「きっと家族が注文したのだろう」と思い込み、立て替えて払ってしまってました。

ニセ宅配便詐欺の被害は実在し、詐欺の実証実験も成功したので、この詐欺は誰でも被害に遭う可能性があります。こんな詐欺もありますので気をつけましょう。という主旨のコーナーでした。

全くもってその通りです。皆さん気をつけましょうね!犯罪被害は他人事ではありませんよ〜(^_^;)

・・・・・あれ?

確かにそこまでは良かったのですが、その後に違和感がありました。

テレビで紹介されたニセ宅配業者の見分け方

テレビでよく見かける防犯専門家が、宅配業者が本物か見分ける方法を伝授していましたが、その方法が納得いくものではありませんでした。

ニセ宅配業者を見破る方法(テレビの専門家による)

不在票を見せてもらう

これでなぜニセ業者なのかわかるのかというと、以下の理由からだそうです。

  • ニセ業者は不在票を持っているはずがない
  • 不在票は日常的に目にしているから偽造はすぐにわかる

うーん。。。この根拠ってすごく弱くないですか?

本当にニセ業者は不在票を持ってない?

もし仮に私が詐欺やるのなら(絶対にするわけないですけどね!)、架空の宅配業者をでっち上げるわけですから周到に準備します。

犯人だって捕まりたくはないはずですから。

私だったら名刺と不在票と名札くらいは最低でも用意します。

代引詐欺が浅はかな思いつき犯行だと甘く考えてませんか?

本当に偽造された不在票はすぐにわかる?

現在は配送業者も価格競争で乱立状態です。

様々な通販を利用すると、見た事もない配送業者が持ってくることもザラにあります。

こういった業者に不在票を見せて欲しいと言って、出される不在票が本物かどうかなんて見分けられるはずがありません。

ちなみに今は、複写式の綺麗な伝票だって、誰でも少量を安く通販で作ることができる。そういう時代なんですよ。

今回の見破り方については、特に内容が浅く、問題の本質から逸脱しすぎていてがっかりしました。そして、テレビはとても影響力が大きいので、その方法で安心してしまう視聴者が大勢いることを考えると危機感を感じます。

今から詐欺をする人は、この番組を見てるかもしれませんしね。今頃は本物っぽい綺麗な不在票をネットで注文しているかもしれません。それでも詐欺は防がなくちゃ!ですよね。

詐欺って人を騙す犯罪です!騙してお金を得ようとする相手がバカだと思ったら大間違いです!多くの方が実際に騙されることを考えても、相手の知能を甘くみてはいけません!詐欺犯は騙される私たちより知能が上だと思って甘くみないようにしないと詐欺被害は防げません!

私が考える現実的な見破り方

じゃあニセ宅配業者による宅配詐欺を100%確実に防ぐ方法はあるのか。

実はとても簡単な方法で100%防ぐことができます。

現実的なニセ宅配業者の見分け方

注文した本人に確認してから受け取ること

これに尽きます。たったこれだけ。これしかありません。

注文した本人がいなければ、配達業者をその場で待たせ、電話で確認しても良いでしょう。

注文者本人に確認しなければいけない内容、それは

確認する内容

  • 送り主
  • 金額

のたった2つだけです。

単純でしょ?でもこの2つは、詐欺犯にとっては絶対に偽装できない部分なのです。

配達に来た宅配業者の目の前で、荷物の送り状伝票を見ながら「○○からの商品が代引金額○○円で配達にきてるけど、これ注文した?払って大丈夫?」と聞くだけ。たったこれだけです。宅配業者も玄関先で数分待つくらい、嫌な顔はしないはずです。

もし注文した本人と連絡がつかない時は「本人と確認がとれないため」と正直に理由を説明し、後日改めて再配達してもらうようにお願いしましょう。後日、本人と確認がとれてから受け取っても遅くはありません。

一番大事なのは、その配達業者が詐欺業者の場合、ここまで確認をされると二度と来ないという点です。偽装が不可能な部分を確認されてしまうのですから、騙すのは不可能とあきらめるはずです。これぞまさしく100%確実な撃退方法です。

テレビ番組がなぜこんな単純なことに気がつかなかったのか… 本当に不思議(^_^;)

最後に

宅配業者が来て、それが代金引換だったら、知らない人に現金を払うわけです。普通の宅配便のように気軽に考えてはいけません。大切なお金を払うわけですからね!

そして人を騙すことを目的としている詐欺犯を甘くみないこと。今回はニセ宅配業者詐欺について考えましたが、同じことは日常のあらゆる場面で言えます。とにかく確認。これだけを覚えておいてください。

今回は、テレビ番組への違和感と代引詐欺の撃退方法を紹介しました。皆さんもお気を付けくださいね!