思ったほど良くないピストル型催涙スプレー
最近ピストル型(拳銃型)催涙スプレーの問い合わせが連続しています。
過去に当店で扱っていたこともあったので、それで問い合わせが来てるのかなと考えたりしてますが(^_^;)
外観はこんな感じのものですね。
この催涙スプレーは、ドイツのカールホーネックというメーカーが作っていたディプロマットという名前の催涙スプレーでした。
なぜ過去形なのか?それは、現在はもう日本に入ってきてないと思われるからです。(カールホーネックとFOXが終了したようです参照)
ところでピストル型催涙スプレーはそんなに良いものでしょうか。
実はそれほど良いものではなく、数年前に当店で販売していたときもお勧めしていませんでした。
なぜ良くないかというと、最大の要因はその外観です。拳銃と同じ形なのでさぞ使いやすいだろう、狙いやすいだろう、かっこいいなどと思われがちですが、実際に使用するときに相手に与える印象に問題があるのです。
護身として身を守るとき、相手に拳銃型催涙スプレーを向けたとします。相手はそれを見て、これは拳銃の形はしているけど実は催涙スプレーだってわかるでしょうか。距離が離れていたり、周囲が暗かったりするとなおさら本物の拳銃に見えるはずです。
では、本物の拳銃を向けられたと思った相手はどうするでしょう。相手が丸腰で素直なら手を上げるかもしれませんね。ギブアップです。でも、相手もポケットに拳銃を持っていたら?相手に仲間がいて、その仲間が拳銃を持っていたら?拳銃は先に撃ったほうが勝ちです。これは海外では当たり前。あなたが相手に向けた催涙スプレーを拳銃と勘違いした相手は、果たして反撃に躊躇するでしょうか?もし相手が拳銃を持っていなくても、撃たれたら仲間が死ぬと思い込めば、物を投げる、クルマで突進する、など死にものぐるいで仲間を守ろうとするかもしれません。
実際に海外では、相手が持っていたホウキを銃と見間違い、射殺してしまうといった事件も過去に起きています。
結論として、催涙スプレーは拳銃に似ていないほうがよく、催涙スプレーは催涙スプレーらしい形であるべきなのです。さらにいうと、催涙スプレーだから威嚇力がゼロというわけではありません。催涙スプレーであっても、それが催涙スプレーだと相手にわかれば、威力は当然かなりのものと相手もわかりますので、相手は躊躇しますし、逃げだす可能性すらあります。
まあもう一点、ディプロマットの欠点を言うと、実は噴射力が異常に弱く、しゅ〜っと透明の液体を噴霧するような性能しかありませんでした。少しでも風がある屋外では、恐らく相手の顔面から20cmほどが射程圏内でしょう。せっかく相手から離れても使用できる催涙スプレーなのに、そんなに近づくなんて危険過ぎます。多分、護身は成功しないでしょう。
拳銃型催涙スプレーを探している方は、今回説明した内容をよく考えてください。
当店では、少しでも危機的状況を悪化させる恐れのある護身用品はお勧めできません。
KSP店長 白石
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