不審者から保育園を守るには?事例・防犯対策をご紹介

2018年6月14日

近年「不審者」という言葉をよく耳にするように感じます。

テレビをつければ「不審者による犯罪」というニュースが跡を絶ちません。

皆さんの中にも、こうした状況に危機感を持っている方も多いと思います。

そこで今回は数ある事件の中でも、お子さんをお持ちの方が不安に思われている、「保育園」での不審者についてと、その対応をお話させていただきます。

1. 保育園の不審者の実態

児童を対象にした年間犯罪件数を皆さんをご存知でしょうか?

警察の公式の発表によると、平成27年度の少年犯罪(19歳以下が被害者)はおよそ15万件、その中で未就学児を対象にした犯罪件数が約500件です。

年間500人の小さいお子さんが犯罪の被害に遭っているのです。

しかしこれは警察が「事件」として認めた数で、警察に扱われなかった事件は含まれていません。

つまり、実際には年間500人をはるかに超える数のお子さんが被害に遭っているということです。

そしてこの被害は特定の地域、性別、年代に集中しているわけでもなく、日本全国のどの年代のどの性別のお子さんにも起こりうることなのです。

2. 事件の事例

ここでは実際にどのような保育園の事件が起こったのか、その事例を2つご紹介いたします。

1つ目は少し昔になりますが、2006年に鹿児島県のとある保育園で起こった事件です。

朝方の保育園に刃物をもった男が侵入し、女性の保育士に刃物を突き付けて脅し、おもちゃを投げるなどして暴れた事件でした。

幸いにして児童、保育士ともに怪我人はなく、犯人も逮捕されました。この犯人が犯行に及んだ理由は「いつもうるさくて眠れないから」という理由だそうです。

この事件の被害が最小限に収まった点に関して、私なりに良いと思った部分は、「日ごろから不審者対策をとっていた」こと。

そのおかげで侵入者がいたにもかかわらず適切な対応ができて、結果として被害者が出なかったです。

悪かった部分は「不審者に侵入されてしまった」こと。

不審者への対策で一番重要な部分は「不審者に侵入されないこと」であるからです。

不審者に侵入されてしまったらいくら適切な対応ができたとしても、不測の事態が発生してしまうかもしれません。

2つ目の事例は2017年に大分県で起こった事件です。

不審者が刃物を持って侵入して児童と保育士の3人が負傷しました。死者が出なかったのが不幸中の幸いでしたが、怪我人を出してしまった痛ましい事件です。

3. どのように不審者に対応すればいいのか?

先ほどご紹介したような痛ましい事件を起こさないようにするには、どのような対策をすればいいのでしょうか?

ここではその対策を「保育園ができること」と「保護者ができること」に分けてお伝えいたします。

まずは「保育園ができる対策」です。

その対策とは、「不審者を想定した訓練を行う」ことです。不審者を想定した対応マニュアルを作成して、そのマニュアルに沿って訓練を行います。

この訓練の際には、保育士の皆さんはただ訓練を行うのではなく、「リアルな事件を想像して行う」ことを意識してください。

なぜなら訓練と実践は全く違うからです。

いくら避難訓練や防犯訓練を行っても被害が減らないのは、「実践」の時に思いの外パニックになり、落ち着いて行動できなくなるのが大きな要因です。

ですので、「できる限り実践を想定して訓練を行う」ということを意識してください。

しかし、実際に不審者が侵入した時に上手く対応できたとしても、先ほど説明した事件のように職員や児童が「怪我」を負う可能性もあります。

そのような可能性を少しでも低くするために、簡単な防犯グッズを備え付けておくのをおすすめします。

次に「児童の保護者ができる対策」をご紹介いたします。こちらの対応策は2つあります。

1つ目は、「児童に不審者対応の知識を与える」ということです。

子供は真剣に教えると案外教えたことを守ってくれます。防犯対策で有名な言葉は「いかのおすし」ですよね。

  • 「いか」は「知らない人についていかない」
  • 「の」は「知らない人の車にのらない」
  • 「お」は「危ないと思ったらおおきな声で叫ぶ」
  • 「す」は「すぐに逃げる」
  • 「し」は「すぐにしらせる」

最低限、こちらの知識は教えてください!

2つ目は「児童の送り迎えを徹底する」です。児童が犯罪の被害に遭うケースは保育園の中ではなく、外の方が多いです。

つまり「外」で児童を1人にさせないことが非常に重要になってきます。

しかし「毎日の送り迎えは仕事の関係上絶対にできない」という方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合は、保護者と保育園が連携を取り「仕事が終わるまで児童を預かってもらう」や「別の保護者に代わりに迎えに行ってもらう」などの対策をとってください。

どれだけ少しの間でも児童を外で1人にするのは危険だという認識を持ってくださいね。

4. おわりに

以上で今回のお話はおしまいです。ぜひともしっかしとした防犯対策をされることをお勧めいたします。

 

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