スタンガンは法律でどう扱われるのか?「所有」か「所持」で大きく変わる

2018年1月23日

護身用品と法律

護身用品としてスタンガンの購入を検討されている方もいらっしゃると思います。しかし、気になるのは持っていても法律的には大丈夫なのか?ということです。

この問題は難しいもので、様々な議論を呼んでいます。今回は、スタンガンを手にするにあたって、どのような場合は合法なのか、また微妙な問題になるのかについてご説明します。

「所有」と「携帯・所持」の違い

「所有」と「携帯・所持」では意味としては少し違うだけですが、法律の土俵になると大きく変わってきます。
「所有」とは広義的ですがここでは主に、持ってはいるが「家などに置いている」ことを指します。反対に「携帯・所持」は「外出時に持ち運ぶ」ことを指します。

所有

法律ではスタンガンの「所有」は合法です。

家にあるからといって、捕まることはありません。

携帯・所持

「携帯・所持」になると合法か非合法か判断がしづらいです。護身用品とはいえ、相手に危害を与えうるものだからです。

多くの方が護身用品として適正に使用していますが、中には悪用する人がいるのも事実です。警察としては犯罪を未然に防ぐ使命があるので、合法か非合法かは微妙な問題です。

どんな罪になる恐れがあるのか

軽犯罪法違反に該当する恐れがあります。軽犯罪法とは、私たちの日常の生活に関して細かな生活ルールを定め、社会生活がスムーズに行えるようにするための法律です。その軽犯罪法のうち「第一条の二」に違反する可能性があります。

軽犯罪法 第一条の二

正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他、人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

ではもし違反と認められてしまったらどんな罰則があるのでしょうか。軽犯罪法違反罪の刑罰は、「拘留又は科料」です。「拘留」は1日以上30日未満として刑事施設に拘置されます。30日未満ですから、最長29日間となります。「科料」は千円以上一万円未満で罰金が科されます。

どう対応すれば良いのか

こちらが必死に命を守るために持っていたと言ってもすんなりとは聞いてくれないでしょう。女性が所持していた場合は認められやすいですが、男性だと疑われやすいのが現状です。ではどうしたらいいのか。大事になるポイントは「正当な理由」があることです(命を守ることほどの正当な理由はないはずなのですが)。

有名な例は、催涙スプレーをポケットに隠し持っていたとして軽犯罪法違反の罪に問われた東京都の男性会社員が一、二審では有罪判決を受けたものの、最高裁で見事無罪となったという例です。無罪となった要因はスプレーが比較的小型で、会社で経理を担当する男性が多額の現金や有価証券を持ち運ぶために購入したことに最高裁が注目したことです。

なかなか「正当な理由」というのも難しいですが、何のために所持するのか明確にし、声をかけられた場合には情報をオープンにしながら冷静に正当性について説明することが怪しまれないポイントです。

最後に

以上がスタンガンの法律における現状です。最後に怪しまれないポイントをご紹介しましたが、現場の警察官によっても対応が変わるので実行してもどうなるかは何とも言えません。やはり所持するかどうかの最終的な判断はご自身になります。ただ一つ言えることは命より大切なものはないということですね。

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