福岡県北九州市若松区
北九州市で漁協のトップが射殺される
2013年12月20日
20日午前8時前、北九州市若松区の路上で近くに住む北九州市漁協組合長・上野忠義さん(70)が倒れているのを通行人の女性が見つけ、119番した。福岡県警によると、上野さんは胸や腕などに銃で撃たれたような痕が複数あり、約2時間後、搬送先の病院で死亡が確認された。県警は暴力団が関与した可能性もあるとみて、殺人事件として捜査を始めた。
19日朝の「餃子の王将」社長射殺事件の衝撃の中、またしても男性が銃撃されて死亡する惨劇が発生した。静かな住宅街に響いた「パンパンパン」という乾いた銃声とサイレンの音。県警によると、近隣住民が銃声を聞いている。上野さんはごみを出すため午前7時40分ごろに自宅を出た後、銃撃されたとみられる。
また、県警などによると、犯行から20〜30分後、北西に約7キロ離れた福岡県芦屋町の空き地で「軽乗用車が燃えている」と119番があった。若松区の現場近くで軽乗用車が北方向に猛スピードで走り去るのが目撃されており、県警は逃走に使われた可能性もあるとみて、関連を調べている。
上野さんは1997年に自宅の塀に銃弾を撃ち込まれ、翌98年には兄が路上で射殺される事件が発生。2007年には娘宅や息子の職場にも銃弾が撃ち込まれており、県警が上野さん宅周辺を重点的にパトロール警戒していた。北九州市漁協の女性職員は「組合長として県や市など外部との交渉を引き受けていた。個人的に恨みを持たれるような人ではないと思う」と話した。
北九州市では、事業者らへの襲撃・発砲事件が相次ぎ、先月22日には小倉北区の建設会社社長が自宅前で何者かに切りつけられている。