福島県喜多方市
クマに襲われ女性死亡 喜多方の82歳
2012年9月27日
●目撃情報昨年の3倍
26日午前8時40分ごろ、喜多方市上三宮町上三宮の畑で、近くに住む冨田初枝さん(82)がクマに襲われた、と119番通報があった。冨田さんは頭や首に傷を負っており、死亡が確認された。喜多方署によると、冨田さんは午前6時ごろから自宅前の畑で農作業をしており、クマに襲われたという。畑にはクマが芋を掘り返した跡と、足跡が残っていた。現場は田畑のなかに住宅が点在する地域。近くには小学校や幼稚園があり、同署などは住民に注意を呼びかけた。
この日は朝6時45分ごろ、現場近くで体長約1メートルのクマが目撃されており、地区では注意を促す放送が流された。事故後はパトカーも拡声機を使い、「クマが近づかないよう、農作業中はラジオをつけて」と呼びかけた。近くに住む男性(62)によると、冨田さんは毎朝6時ごろから3時間ほど畑仕事をしていたという。「物静かだけど、話すとよく笑ってくれた。こんな事故になるなんて本当に気の毒」と肩を落とした。
現場から250メートルほどにある市立上三宮小は校舎入り口を全て閉め、休み時間、体育の授業ともに児童が校庭に出るのを禁止した。また下校時は、全校児童58人の家族に連絡し、学校まで迎えにくるよう求めた。27日から当面の間、登下校ともに送り迎えを要請するという。母親に来てもらった小学4年の女児(10)は「びっくりした。1人で外を出歩かないよう気をつける」と話した。
県警や県自然保護課によると、県内のクマの目撃件数は25日時点で、359件。昨年の同じ時期の3倍だという。
5月11日には磐梯町で山菜をとっていた女性(74)がクマに襲われ、頭に重傷を負った。昨年は西会津町で、一昨年は喜多方市で、それぞれ1人がクマに遭遇し、死亡している。
喜多方市によると、今年のクマの捕獲はすでに10頭以上。昨年の1頭を大きく上回り、市民からの通報も70件を超えた。独り立ちしたクマが分散する季節でもあり、2〜3歳の若いクマが目撃されているケースが多いという。市は9月の広報誌で「身近な里山でもクマは暮らしている」と呼びかけたばかりだった。
山ではまだ青いドングリの実を食べる季節だが、今年、この地域のドングリは不作らしい。現場近くに住む山口久利さん(76)は「花はたくさんつけるが実を結ばない」といい、夏の暑さと水不足を指摘する。
行動圏を広げ、里の環境を利用するようになった「新世代」が増えているのも確かなようだ。母子で畑に繰り出し、味を覚えた子グマたちは危険を感じずに出没する、と市の担当者は見ている。
クマにとって夏の終わりは冬への準備を始める季節だ。県自然保護課は、▽家の周りにクマのえさになりそうなものを置かない▽鈴やラジオなど音の出るものを持つ▽クマに遭遇したら目を離さずゆっくり後ずさりして離れる——などの対策を呼びかけている。
危険動物対策に関するコンテンツ
熊など危険動物に関する当店のオリジナルコンテンツです。あわせてご覧ください。
- 危険動物対策(熊・野犬・猪・猿)
- 熊・野犬・猪・危険動物に最適な熊よけスプレー
- クマの事件を考える(熊事故を未然に防ぐ)
- ヒトを襲うサル被害拡大中
- 山歩きに催涙スプレー
- 山道で怖かった体験談
- 熊よけスプレーを学校で噴射!?とんでもない!
- 野外カメラマンの熊対策に催涙スプレーは必須です
- クマ被害続出 秋の熊に注意
- 人間を狩る危険な野犬と撃退実績No.1のポリスマグナム
- 熊対策としての催涙スプレーの感想
- 他人事ではない!全国でクマ被害急増
- 熊スプレーで熊を撃退(熊との遭遇・襲撃に備える)
- 熊の事件が増加(熊事故を未然に防ぐ)
- 催涙スプレー情報
- 催涙スプレー
こちらもご覧ください>>危険動物対策ページ