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防犯・護身用語 - クロロベンジリデンマロノニトリル

用語

クロロベンジリデンマロノニトリル

解説

クロロベンジリデンマロノニトリルとは催涙剤として使用される化学物質の一つで、一般的にはCSと呼びます。
この物質をUS codeで表すと「CS」となります。

→ CS
→ CSガス




クロロベンジリデンマロノニトリル

o-Chlorobenzylidene malononitrile
2-Chlorobenzylidene malononitrile
2-Chlorobenzalmalononitrile


1) 物理的化学的性質

US code: CS
CAS 番号: 2698-41-1
分子量: 188.6
化学式: ClC6H4CH=C(CN)2; C10H5ClN2
性状: 白色の結晶性固体
臭気: 胡椒のような臭い
融点: 93-95℃
沸点: 310-315℃
比重/密度: 0.26 (粉末)
蒸気密度: 6.5(空気=1)
蒸気圧: 3.4 X 10-5 mmHg (20℃); 0.00034 mmHg; (文献により1桁異なる)
溶解性: 水に不溶(0.02%)。有機溶媒に可溶。
反応性: 水溶液中で不安定
持続性: 短い
クロロベンジリデンマロノニトリルは適当な溶媒に溶かしスプレー剤にするなどしてエアロゾルとして用いる。ざらざらした表面(布など)に付着しやすく、ゆっくりとしか除去できない。

2) 毒性および症状

1. 作用機序
催涙剤は、神経末端、角膜、粘膜、皮膚に作用し、その反応は非常に速い。

2. 毒性
暴露経路:吸入、経口摂取、皮膚や眼への局所刺激
毒性は非常に低い。人での1時間の概算致死濃度は1,000 mg/m3 である。一方、ほとんどの人が1mg/m3 のCSの催涙作用に耐えられない。
臨床作用は(エアロゾル)粒子のサイズに依存する。小さな粒子(1-5 マイクロメートル)はより大きな粒子(20-30 マイクロメートル)に比べて、眼や気道により速く作用するが、快復もより速い。非常に大きな粒子(50 マイクロメートル)は気道より眼に作用し、快復は遅い。
ほとんどの場合、被害者を新鮮な空気のもとに連れ出すだけで症状は消える。

3. 徴候、症状
眼:激しい灼熱感、結膜炎(30分続く)、瞼の紅斑(1時間続く)、眼瞼痙攣、激しい流涙(10〜15分)、まぶしい感覚
呼吸器系:最初は喉の灼熱感と痛み(気管および気管支に広がって行く)、その後、不安感を伴い窒息感。鼻の灼熱感、鼻汁、鼻腔粘膜の紅班。
他に、吐き気、下痢、頭痛、くしゃみ、味覚の変化、疲労感、咳。
皮膚:特に湿った部分に灼熱感があるがすぐに消える。これは数時間後に再発することがある。大量暴露が長引くと、紅斑や小さな水疱が生じることがある。