防犯・護身用語 - 過剰防衛
用語
過剰防衛
解説
過剰防衛とは正当防衛のゆきすぎた行為の事を指します。
正当防衛や緊急避難によって定義されている範囲を超え、侵害者に対して明らかにゆきすぎた行為によって反撃すると過剰防衛となります。
極端に考えると、例えば初めて会った侵害者から脅し文句によって金銭を奪われそうになったからといって侵害者を殺してしまえば、これは明らかな過剰防衛です。
相手が素手だからこちらが護身用品を使うと過剰防衛なのかというとそういう訳でもありません。侵害者と被害者、そしてその場の状況など様々な要素を考慮すると、その反撃内容の許容範囲はそう狭くはないのです。
侵害者は素手に見えるが、何か凶器をもっているかもしれない。非常に悪質な脅し文句(例えば「殴り殺す」など)を言ってたかもしれない。こういった現場の状況で被害者は命の危険を感じるかもしれません。こういった時に、後になって「侵害者は素手だったから護身用品を使ったあなたは過剰防衛だ」とはならないのが一般的なようです。
過剰防衛は本来、侵害を受けた被害者が自己防衛のために行った反撃なので情状の例も多いようです。
一番大切なのは「その場においてやむを得ずとっさに行った防衛行為の延長線上の行為か」という点です。
例えば物盗り目的の強盗が宅内に侵入している事に気が付き、身近な物(例えば置き時計など)で強盗を殴り大怪我を負わせた場合など。こういった行為が防衛行為としての正当防衛なのか、防衛行為の延長線上の行為として過剰防衛なのか問われる事になります。
過剰防衛という攻撃行為は、自己の防衛(正当防衛)やその他の防衛(緊急避難)の行為における延長線上である必要があるのです。
例えばある日、侵害者から暴力を受けたからといって、翌日に侵害者に対して攻撃行為を行った場合は正当防衛にも過剰防衛にもならず、立派な傷害行為です。